ロードバイクの塗装考


 ロードバイクの塗装って10年前と今とでずいぶん傾向が変わりましたよね。一昔前のフレームって複雑に入り組んだn色塗装みたいなのがありましたよね。でも今のフレームだとなんかシンプルな塗装が多くみられるような気がしませんか。極端な例だとロゴ剥がしたら真っ黒みたいなのもありますよね。ちょっと塗装について私の考えを述べたいと思います。

1マット仕上げについて
 塗装って、アルミフレームならば下地→塗装→カッティングシート(デカール、シール)→クリア(つや、保護)、カーボンフレームならば所詮プラスチックなので塗装→カッティングシート(デカール、シール)→クリアで終わりです。マット塗装になるとこのクリアを吹かなくて済むわけですね。高級価格帯はともかく、低価格帯のロードでマット塗装の場合かなりの確率でコストカットだと思います。で、マット塗装の何がいけないって、汚れが落ちにくかったり塗装の痛みが早かったり、ちょっとの擦れで色が落ちたりします。手抜きですね。さらには、カーボンフレームの場合、積層等がデコボコしているような品質が低いものでも、マット塗装だと目立ちにくいという利点もあります。
こういう理由で私はマット塗装が嫌いなんですね。

2塗装について
上記に塗装の手順を書きましたが、2色以上の塗装ってめんどくさいんですよね。単色ならともかく、2色目からは、マスキング(塗りたくない部分をカバー)する部分にテープ等を丁寧に貼る→塗装する→マスキングを剥がす という手順が必要になります。上から塗装を重ねていくこの伝統的手法のメリットとしては、立体的曲面にも自在にデザインすることができる点があります。一方でコスト高になる上に、請け負ってくれる塗装工場も限られます。
これに対してカッティングシートならばペタっと張るだけで圧倒的にコストダウンが可能になりますね。ところがカッティングシートには弱点があります。シワなく曲面に貼ることが難しいのです。所詮は平面シールなので、立体的な曲面に貼ることが難しい、広い面積に貼ることも難しいことは容易に想像がつきますね。カッティングシートはコストも安く、手軽である一方で複雑なデザインが難しいという特徴がありました。

口で説明してもよくわからないし塗装で複数色で仕上げられたものとカッティングシートで作られたものを見比べてみましょう。



大声で言わなくてもどちらがどちらかわかりますね。色々知ってしまうと、いかにもカッティングシートでとりあえず仕上げました!みたいなフレームって安っぽく見えちゃって私は買う気が失せちゃいます。そういうフレームって1色目もドボンと塗料に浸けてあげるだけでできてたりして

というわけで私が好きなのはちゃんとスプレーで複雑に塗装された、クリア仕上げのフレームです。実はこういったフレームが少なくなったことの原因は高度な塗装を請け負ってくれた塗装工場が潰れたことによる影響が大きかったりします。昔のような複雑な塗装は最近見られなくなったのは、コストカットだけではなくそもそも複雑な塗装ができる工場がなくなりつつあるのかもしれませんね。では今日はここらへんで。

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