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トレンタチンクエなるものに手を出してみた

 トレンタチンクエを知っていますか。 DEDA の提唱する、クランプ径 35mm のハンドル / ステム規格です。基本的に同じ肉厚ならば、パイプの剛性は口径の4乗に比例するから極めて高い剛性が期待できるというわけです(通常のハンドルはクランプ径 31.8mm )。ちなみにトレンタチンクエってイタリア語で 35 って意味ですね。そのまんまですね。  今回はシモン君から格安で Easton の35㎜クランプステムと、 DEDA のアルミ 35 ハンドルを売ってもらい、使ってみた感想を書いてみたいと思います。  まず剛性ですが、思ったほど固くない。私の腕力で若干曲げられます。まあ普通のハンドルならちゃんと曲がるくらいの力かけてますが。そして、想像していたほど振動が不快ではない点です。もちろん、段差を踏めばガツンとは来るのですが、もともとの剛性の高さかわかりませんがびりびりと振動が残ることがなく私としては好印象。そしてハンドリングのダイレクト感は想像通りで非常に素晴らしいものでした。ダンシングの際にはその剛性っぷりがはっきりと現れます。一方で振動はそれほど拾わない、このよくわからない性能はどこから来るんでしょうね。 (写真)  ハンドルをよく観察すると、ハンドルの下側に窪みがつけられています。この窪みがこの性能に関係あるのかもしれませんね!手元でストローで窪み付けて見ていろいろな方向に曲げてみると面白いかもしれません。ダンセイニジモーメントとか私はよく知らないけど、直観的には簡単な実験で何となくわかるようなわからないような。  というわけで DEDA のトレンタチンクエのアルミモデル、結構おすすめです。グライペルだってトレンタチンクエ使ってますからね。剛性楽しい!って人はぜひぜひ。ではまた。

ホイール妄想理論①

 ここではホイールを振れ取りした経験すらないカリクレスがホイール理論についてかるーくふわふわと考察してみます。みなさん存分に燃やしてやってください。記念すべき第一回は、ホイールはテンション構造なのか?というお話です。  みなさんテンション構造ってわかりますよね、明石海峡大橋とかああいうやつです、ああいうのは分かりやすいテンション構造ですね。テンション構造で大切なのは、“引っ張りしか仕事をさせないこと”です。引っ張りしか仕事させないとはどういうことか。それは、ジョイント部分がピンということです。曲げる方向の力はすべてピンの部分でくるくる回るということですね。こういう構造にすれば引っ張り以外の力はかかりませんからテンション構造と言えます。  翻って自転車のリアホイールを考えてみましょう。チェーンによってスプロケットに回転方向の力、トルクがかかります。このトルクはハブからスポーク、リムと伝わります。リムにスポークはニップルで引っ張られてます。これはピンジョイントとは言えませんね…?ハブだって首振りスポークならまだピンジョイントに近い構造ですが、ストレートプルならばもうピンジョイントではありません。何がいいたいかというと、ホイールというのはテンション構造も用いているが、単なるテンション構造ではないということです。マビックのジグラルスポークなんて、リムに直接ネジを切ってそこに専用ニップルをねじ込んで固定しています。到底スポークのテンション構造のみで伝達しているとは言えませんね。かといってスポークの曲げだけで伝達しようとしても残念なホイールになってしまうのですがね。ホイールはスポークの伸びだけじゃあなくて曲げでも伝達してるんじゃないの?というお話でした。そうするとゴン太キシメンスポークにも意味があるのではないですかね?ではまた。

ブレーキフルードについて(シマノ)

 油圧ブレーキ考とかさんざん書いてきたので、いい加減ディスクブレーキを自分で組んで考えてきたこととかもまとめていきたいと思います。今回はブレーキフルードです。  油圧ブレーキはほぼメンテフリーとか言ってる人もいますが、普通に油圧のオイル、つまりブレーキフルードが劣化します。普通に使うだけなら2年くらいは頑張ればいけるのです。しかし、ブリードしてから8か月くらい経つと、自転車をひっくり返したときにリザーバタンクからメインシリンダーにエアが入りブレーキがスッカスカになります。 こういう時はレバーを数回引いてやるとまたリザーバタンクにエアが戻るので無問題ですが、気になる人は気になります。俺とか。それに、輪行後点検せずにすぐ乗るような人だった場合極めて危険になる可能性があります。そういうこと考えると半年に1回くらいブリードしないといけません。しかし油圧ブリード、普通に店に投げると5000円くらいかかる作業です(私でもやってくれって言われたらそのくらい取ります)。半年に一度、前後合わせて1万円のブレーキメンテ費を出せる人間ってどれだけいるんでしょうね、とか考えてしまいます。 というわけで、油圧ディスクの油圧メンテ頻度は?という問ですが、エア入ったブレーキの扱いがわかっている人ならば2年くらい大丈夫です。しかしそんなのめんどくせー!という人には半年ごと、という答えになります。 DIY するにしてもブレーキフルード自体が劣化します。シマノのオイルは 1L 2000 円と 50mL 1200 円の二択ですが、これも非常に悩ましいです。一般人ではとても 1L は使い切れる量ではないためです。ブレーキフルードをほかっておけば、酸化し吸湿し劣化していきます。というわけで、 0.1L をあえてこまめに買うのもアリだと思います。 油圧ディスクを本気で使っている人には当たり前の話ですが、油圧のフルードって結構めんどくさいよ?という話でした。参考になればうれしいです。ではまた。